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「解雇」の問題について弁護士ができること  No1

2011年5月30日

 勤めていた会社から、突然、解雇を言い渡されましたが、私は納得できません。こういう場合、法的に何ができるのでしょうか。こういう解雇の問題について弁護士に頼むと、どういうことができるのでしょうか。

 

 会社が従業員を解雇する場合、解雇にはいろいろな理由があります。よくあるものは、会社の経営不振を理由とする整理解雇(いわゆるリストラ)ですが、それ以外にも、従業員の業績や作業能力が低いことを理由とする解雇、従業員の落ち度を理由とする解雇、ときには雇用主が気にいらないという理由でなされる解雇もあります。

 しかし、法律上は、解雇は簡単にはできず、労働契約法という法律により、解雇が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」には解雇は無効であるとされています。

 それでは、具体的どういう場合に解雇が無効となるのでしょうか。これについては、高いハードルが使用者に課せられているといえます。

 整理解雇の例でいえば、①人員削減の必要性があること、②解雇回避努力をしたこと、③人選が合理的であること、④解雇の手続きが相当であること、の4つの要件が必要と基本的に考えられています。①人員削減の必要性について,例えば従業員を解雇しておきながら、その後に新しい従業員を雇用していたりすると、人員削減の必要性に疑問がもたれることになります。②解雇回避努力をしたかとは、例えば、解雇を避けるために希望退職を募るとか、解雇以外の役員報酬のカットなどの経費削減努力をしたかということです。③の人選の合理性とは、従業員の解雇がやむをえないという場合でも、数いる従業員の中から誰を解雇するかについて、解雇する従業員を合理的な基準により公正に選んでいるかです。④解雇の手続きの相当であることとは、①人員削減の必要性②解雇回避努力③人選の合理性の3点が認められ解雇がやむをえないとしても、解雇せざるをえない理由について、解雇する従業員にきちんと説明を行っているかです。この4つの要件のうちいずれか1つを欠くと、解雇は無効となりえます。

 その他、従業員の業績や作業能力が低いという解雇は、単に従業員の能力が平均的水準より低いと認められるだけではだめで、著しく労働能率が劣り,しかも向上の見込みがない(教育訓練や配置転換をしたがだめであった)といえるだけの事情がないと、解雇は無効となりえます。

 従業員の落ち度を理由とする解雇についても、解雇するほどに程度の重い落ち度でなければなりません。過去には、寝過ごして朝のニュースを放送できなくした(しかも2週間の間に2回も)ラジオ局のアナウンサーに対する解雇が無効とされた裁判例もあります。

 単純に使用者が従業員を気に入らないなどという理由だけによる解雇は当然無効です。

 以上のように、従業員の解雇については、使用者に高いハードルが課せられているといえます。

 ですので、会社を解雇された従業員の方からすれば、会社に対して解雇が無効であることを主張できる場合は比較的多いといえます。また、会社の立場からすれば、解雇をする場合には十分に理由を検討して慎重に解雇しないと、後で、解雇が無効となり、大きな金銭出費などをしなければならなくなることもあります。

 解雇については、解雇をする会社側も解雇をされた従業員側も、解雇が有効なのか、十分に考える必要があります。

 では、解雇が無効といえる場合には、解雇された従業員は会社に対してどういう手段がとれるのでしょうか。

 これについては、また、次回、ご説明させていただきます。

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